コロナ禍を「ターニングポイント」に①~馥郁農園

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ジバスクラム恵那 ロングインタビュー【前編】

恵那西中学校ほど近くにある馥郁農園は、長年にわたり栽培を続けている桃とトマト、そしてじゃらんとも契約し、毎年たくさんのお客様にご好評いただいているいちご狩りを強みとする農園です。
「馥郁(ふくいく)」とは「良い香りが漂っている」という意味。いちごハウスに入ると、その名の通りふんわりと甘酸っぱい香りに包まれます。

そんな農園にコロナ禍の影響が出始めたのは4月に入ってから。
3月いっぱい平常通り行っていたいちご狩りを、県からの要請でストップさせることになったのです。
この状況でどのように対応をなさったのでしょうか。インタビュー前編をお届けします。

――3月までお客様は例年通り来られていましたか。

馥郁農園金子幸弘さん(以下「金子」):多少例年より少ないと感じる週末もありましたが、おおむね順調でした。
何より今年はいちごの出来がとても良く、期待が大きかったです。

――コロナウイルス感染拡大が2月ごろから問題になり始めましたが、何か対策はされていましたか。

金子:ハウスはそもそも「密」にはなりにくいのです。天井は高いし空間も広い。
冬は無理ですが、春は気温が高くなることも多く、窓を開け放していることが多くなるので、常に空気は循環します。
感染しやすい状況にはなりにくいと考えています。

確かに広々とした空間

――しかし止む無くいちご狩りを中止にされました。結果、出来の良いいちごが大量に行き場を失うことになりました。

金子:これまで直売と道の駅での販売がほとんどだったので、新たな販路を得る必要がありました。
一つ目は農協。これまで会員として名を連ねるだけのような状態でしたが、今年は例年の100倍は出荷しました。
二つ目が地元のスーパー。こちらで販売していただくにあたり、市役所とジバスクラム恵那にお世話になりました。(参考記事はこちら

――直売とは違い、手数料もかかるし、何かと面倒なことがあったのでは。

金子:正直スーパーで並んでいる自分の商品の値段を見て(直売よりも高いので)驚いたりもしましたが、
売り場担当の方から、うちの農園のいちごがスーパーで手に入ることを、お客様が喜んでくださっていると聞き、とても嬉しく思いました。このようにお客様に作物を届けられるんだな、と。

インタビューに答えてくださる金子さん

未曽有のピンチで柔軟な対応をなさった馥郁農園さん。こんな立ち回りができたのは、これまでのご経験で培った力強さがあったからでした。
インタビューは後編に続きます!