恵那農業高校インターンシップ受け入れ報告

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10月12日から14日の3日間にわたり、岐阜県立恵那農業高校の2年生の生徒さんお二人が、インターンシップでジバスクラム恵那に来てくださいました。
コロナ禍で高校に入学して1年半。様々な行事が中止となる中で、やっと得た実地研修の機会。彼らの奮闘ぶりをお伝えします!

生徒さんに話をされる石川右木子さん

インターンシップ初日、ちょっと緊張した面持ちで来てくれたお二人を待ち受けていたのは「勉強の山」でした。
午前中はいきなり講義。ジバスクラム恵那とは何か、恵那山麓野菜事業とは何か。早速聞くことになった話は、おそらく彼らにとって急に目の前に突き付けられた現実。これまで考えもしなかったところに、いきなり視線を向けさせられたことと思います。
そして午後からは実際の農家を訪ね、「農園を経営するとはどういうことか」を目の当たりにし続けました。彼らを迎えてくださった石川農園代表・石川右木子さんは、農業をやっていく上での問題点だけではなく、そのために彼らの立場で今何ができるかもお話しくださいました。

割れてしまった規格外のトマトをどう加工するか
農園の努力を教わるお二人

地域の農業の現状はまだ厳しく、消費者はより安く買える野菜を手に取りがちです。しかし本当に安全なものを作ろうとすると、どうしてもコストがかかってしまう。でも高いと売れない、結果儲けが出ない。食の自給率を上げるためにも、一次産業従事者が生計を立てられるようにならなければならない。
石川さんはそう言って、ご自身が育てられたトマトをどのように販売しているかを教えてくださいました。

キロ単価を守る努力をすること。同じように労力をかけている規格外の商品を無駄にせず、加工品を開発すること。ギフトセットを作るなど工夫すること。インターネットを活用し、より価値を高めてご購入いただくこと。旬の時期を過ぎても新鮮な野菜を販売できる技術力を身につけること。
「農業にはギャンブル的な要素がある。大変だけど面白い」そう言い切られた石川さんに、生徒さんお二人は尊敬のこもった真剣なまなざしを向け続けていました。

道の駅「ラフォーレ福寿の里」にて、
石川農園のトマトソフトに舌鼓

石川農園から道の駅「ラフォーレ福寿の里」へ、さらには味噌の加工場、そしていちご農園へ。見学はまだまだ続きました。
味噌の加工場では、日本の大切な食のひとつである味噌の現状についてお話を伺いました。原料の大豆は国産のものが全体の8%しかなく、遺伝子組み換えの大豆が使用された味噌が多数売り場に並んでいて、しかも味噌の麹菌が生きたままの味噌はほとんど売られていない。そんなことを聞いた彼らの消費者としての目線は、時間を追うごとに変わっていくようでした。

いちご農園で農業と林業の関わりについて学ぶ

いちご農園ではハウス内を暖めるために石油を使わず、年間100tの間伐材を使っていることを教えていただきました。
※この取り組みに関する以前の記事http://zivascrumena.com/wnew/osirase/999/
地域の山の木を農業に生かすことで山を守り、水を守り、川を守り、海を守る。
農林水産業は全て繋がっているという事実を知ることが、これからの彼らの選択により良い影響を与えるのではないかと感じられた瞬間でした。

この日石川さんが彼らに伝えた多くのことの中で、最も彼らに近い内容だったのは「いち消費者が何を選ぶかで、世の中は変えられる」ということであったかと思います。
農業の現状を知った彼らが、今後どんな風に変化していくのかが、とても楽しみになりました。

石川さん、ありがとうございました!

二日目はKoike lab.や根の上高原での取り組みを見学、三日目は農産物の販売流通の実地研修で売り場への配達に終日同行したお二人。
三日目の終わりの彼らに会いに行ったら、まだまだ熱心に納品のための作業に取り組んでいました。商品が売り場に並ぶまでの実際の作業を見て、これまで客としてしか商品を見ていなかったのだと痛感した様子でした。

三日間のインターンシップを終えて、小林和也さんは「これまでの考え方が変わるような知識をいただけた。農家の方々の努力を目の当たりにし、消費者としての意識が変わるような体験ができた」と、森本優里さんは「学校にいるだけでは学べない、将来絶対に役に立つことを教えていただいた。自分はこれまで消費者でしかなかったけれど、様々な目線や立場を知ることができた」とそれぞれ語ってくれました。
ジバスクラム恵那での体験がお二人の未来に、ほんのわずかでも役立つことを祈っています。
三日間お疲れさまでした!

頑張ってくれてありがとう!