コロナ禍を「ターニングポイント」に②~馥郁農園

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ジバスクラム恵那 ロングインタビュー【後編】

(前編はこちら
2000年にお父様と桃の苗木とトマトの苗を植えるところから馥郁農園をスタートなさった金子幸弘さん。
次第に農園経営は軌道に乗り、地域の方々の認知を得て直売のニーズも高まり、2012年には直売に向いている冬の作物をと、いちごのハウス栽培を始められました。
この春、人気を博していたいちご狩りの企画にコロナ禍の影響が直撃。直売だけでは作物を売りさばけなくなり、市役所やジバスクラム恵那の支援を受けて農協やスーパーへの出荷を行うこととなりましたが、、(参考記事はこちら
そこでお客様からご好評をいただき、新たな販路の可能性が見えてきました。

ゴールデンウィーク、地元スーパーに並ぶ馥郁農園さんのいちご

――ゴールデンウィークは日に80パックほど出荷されたとのことですが、それ以降はどのような状況でしょうか。

馥郁農園金子幸弘さん(以下「金子」):スーパーへの出荷はゴールデンウィークだけの予定でしたが、ご好評をいただけたとのことで、今は日に20~40パックほど出荷しています。
今後いちごが終わったら、桃やトマトの出荷も考えたいと思っています。バイヤーさんが興味を持ってくださっていて、前向きに検討しているところです。

――出荷を定期的に行うことで、これまでの「観光農園」としての立ち位置は変わってくるのでしょうか。

金子:2000年に農園を始めてからこれまでの間、いくつものピンチがありました。
リーマンショックの影響もあったし、特にいちごを始めて経営が落ち着いていたころ、大雪でハウスの屋根がつぶれてしまったことは大変でした。
でもいずれのピンチも、今となっては全てチャンスだったし、ターニングポイントであったと思っています。その出来事があったから、自分の対応を変化させられて次につなげられた部分が大きいと感じています。
だから、今回のコロナも、ピンチではなく「変わるチャンス」だと思っています。これまで通りのやり方から変わるターニングポイントにいるのだと理解しています。

――つまり、販売チャネルを増やした観光農園として、これまで以上の発展を目指すということ。

金子:この農園の近くに工業団地ができる予定です。これもまたチャンスだと思っています。これを機会に観光農園としての力も高めたいと思っています。
実は加工品の商品開発もやりたいんです、余裕ができたら(笑)。コラボスイーツなどもやってみたいですね。周りに声をかけていけたらいいですね。

――夢いっぱいですね。コロナで大変な状況の中、たくましさや力強さを感じます。

金子:(笑)。これまで本当に色々あったので、強くなってこられたと思います。コロナで得られた新たな販路で可能性を広げつつ、これからは後継者のことも考えていきたいですね。

ハウス内で、笑顔の金子さん

コロナの影響と対策・結果という農園にとってのイレギュラーなお話を伺いに行ったのに、今回の一連の流れを「ターニングポイント」とおっしゃる力強いお言葉に、パワーをたくさんいただきました。
そして、ジバスクラム恵那としてそのターニングポイントのきっかけ作りに携われて、とても嬉しい気持ちになりました。
これからの馥郁農園さんのパワーアップがますます楽しみです。

再開されているいちご狩りですが、期間は残りわずかで6月第1週までとなります。詳しくはホームページにて情報をご確認ください。
密ではない空間で、赤い宝石に力をもらえます!