毎月一人ずつジバスクラムのスタッフを紹介しています。9人目の今回は加藤雅也。一昨年秋に放送されたNHK「さらさらサラダ」を観たことがきっかけでジバスクラムの取り組みを知り、その渦中に身を投じることとなりました。
長く企業人として歩んできた加藤の、地域に対する想いを聞きました。
■自分の歩みの意味とは
岐阜県多治見市出身、在住。愛知県の大学を卒業後名古屋市の半導体・電子部品商社に入社。半導体は「産業の米」と言われており、言うまでもなく生活に必要不可欠なもの。重要性が再認識されている半導体に将来性を感じ、5年間の営業を経て13年間総務人事課で活躍。新入社員の採用や教育に携わり、会社の成長を裏で担う仕事に、誇りを持って取り組んでいました。
そんな加藤が自分の人生を見直すようになったのはここ二年ほどのこと。
「会社の成長・発展のために働いてきたことはもちろんやりがいのあることではあったけれど、もっと広い視野を持つべきなのではないだろうか」
「生まれてから長く東濃地域に住んでいるが、この地域のことを何も知らない。このままではいけないのではないか」
安定した仕事に就きながらも、加藤の想いは揺れていました。
■地域に貢献する手段としての農業
自分が住んでいる地域を知り、さらには持続可能な社会維持に貢献できるような仕事とは何か。考えた結果、加藤は農業というものを見つけました。
田畑の美しい景観や、貯水・大気浄化などの環境保全機能、祭りや年中行事に密接に関わっていること、何よりも私たちが生きていく上で欠かせない食料を供給するという役割があること。食糧自給率が先進国で最低水準にある日本において、農業を知ることは社会問題の解決や持続可能な社会の実現に繋がるはずです。
しかしその実情は極めて厳しいものでした。
そもそも陶器産業が発展している多治見・土岐において、農業だけで生計を立てるということが大変困難であること。多額の設備投資に2年間の研修などで、ひとくちに就農と言っても相当な覚悟が必要であるということ。
加藤の目指すものは濃い霧の向こうにありました。
そんな加藤の想いに光明が射したのは、冒頭に書いた「さらさらサラダ」のオンエアでした。農業だけではないパラレルキャリアを体現している恵那山麓野菜代表・小池菜摘の姿を見て、加藤自身がぼんやりと描いていた「半農半X」の形が見えたような気がしました。これまで知らなかった恵那・中津川地域の農業のあり方に衝撃を受けました。農業そのものに従事するだけではなく、農産物を流通させることも農業と関わることだと知りました。
農業を通じて地域を知り、地域を支える。ジバスクラム恵那の取り組みは加藤の目指すものそのものでした。長く勤めた会社での職務を引き継ぎ、昨年10月から加藤は正式にジバスクラム恵那の一員となりました。想いを実現するための一歩を踏み出した瞬間でした。
■ジバスクラムでできること
農業に携わるということに重点を置いてジバスクラムに入った加藤でしたが、思っていた以上にジバスクラムは「事業のるつぼ」でした。
そして個性的なスタッフの面々との出会いも、加藤にとって新鮮な出来事でした。加藤のこれまでの人生の中で出会ったことのなかった経験や人材を見、自身がやりたいと思えることもどんどん幅が広がってきました。
またジバスクラムはやりたいと思ったことをやらせてもらえる環境にある場所。
柔軟な職場で、少し図々しいぐらいの気持ちを持って進めば道を拓くことができるとの思いも持ち始めています。
18年の企業人としての経験をも絡めて成り立つビジネスや、多治見で生まれ育ったという土地勘を生かした、東濃全域を見通した事業も頭に浮かび始めました。
地域のハブのような存在であるジバスクラムで、自分がやるべきことは何か。
加藤は今、大きな夢の途中にいます。
地域の農家さんに必要とされる存在になりたい。
そしていずれは、農業だけではなく地域貢献・持続可能という視点で社会に求められていることが出来る自分になりたい。
ジバスクラム恵那にその活路を見出した加藤雅也、次世代エースとしてのその歩みに、どうぞご注目ください!