天が明智町に与えし才能〜浪漫の創造主・中村みはる

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毎月一人ずつジバスクラム恵那のスタッフをご紹介しています。7人目の今回は中村みはる。
「えっ!中村さんは大正村浪漫亭の方ではないの?」と思われた貴方、立派な恵那通です。大正村浪漫亭の顔であり救世主である彼女は、実はジバスクラム恵那所属。本人いわく「全然ジバスクラムの役に立ってないー」とのことですが、才能溢れる仲間の自慢は徹底的にさせていただきます。いつもとは雰囲気の違う、大正ロマンただようスタッフ紹介をお楽しみいただければ幸いです。

「ローマン亭の休日」と名付けられた浪漫亭の自動販売機にて

■市職員中村みはるの転機
明智町に生まれ、明智町役場に勤め始めたのを皮切りに、長く市職員としての立場を貫いてきた中村。彼女が自身の転機と考えているのは平成19年からの串原での仕事だそうです。 着任早々串原の布ぞうりに着目した彼女は、古くなった浴衣などで手作りする昔ながらのエコな布ぞうりを、唯一無二のものと捉えPRを開始。より人目を引くようにと作られた看板に「内閣ぞうり大臣献上店」と書いたのでした。
この看板が話題を呼び、2週間後にはなんと時の福田総理大臣に布ぞうりを渡し。ちょうど環境サミットが行われていたタイミングであったため、鴨下環境大臣(当時)には直接お会いして、G8の代表の皆さんにお土産として渡してもらうようお願いしたのだとか。
中村にはダジャレの神様と、時と運の神様がついている。そんなことを信じられる、一番最初の出来事でした。

中村と串原の布ぞうりの道を切り拓いた看板

■大正村浪漫亭の再興を手掛ける
今から5年前、中村は明智町・日本大正村で1年8か月にわたってクローズされていた建物の再興を一任されました。当時日本大正村は勢いを失い、観光客は減少傾向にあったといいます。中村は明智町の一等地にあるこの建物を観光客の方だけのためのものにするのではなく、地域の方々と観光客の皆さん半々で使っていただくよう方向性を転換させました。
平成28年10月27日「大正村浪漫亭」がリニューアルオープン。大正モダンをふんだんに取り入れたおしゃれな店の一階には地域の自慢の商品を並べ、浪漫亭のオリジナル商品として「まろやかプリン」を限定販売。さらに明智町内に住む方々に「広報えな」と一緒に「ハイカラ新聞」を届け、商品開発の苦労話や明智弁講座を載せました。
時を追うごとに浪漫亭では、観光客の方だけではなく、お出かけに際して地元の商品を手土産に買い求める地域の方の姿を見かけるようになりました。

■泉のように湧き出る新商品のアイディア
それからこれまでの5年間、中村は浪漫亭を彩る新商品を開発し続けました。「思いつくとやりたくてうずうずする」という彼女、誰も真似することの出来ないセンスとスピード感で次々と商品を世に送り出しました。その数、実に67品。月に1個以上のペースでの開発が功を奏し、浪漫亭には常にお客様を飽きさせることのない魅力が溢れることとなりました。
中でも最も力を入れたのは明智光秀にちなんだ商品。大河ドラマ『麒麟がくる』の放送に合わせて世に送り出した光秀がらみの商品は45品を数えます。
光秀醤油、光秀うどん、光秀玉手箱。光秀マドレーヌに戦国最中、戦国ジビエカレーに光秀兵糧丸、光秀ハッカ飴。
いちから開発したものもあるそうですが、パッケージやネーミングを変えただけ、というものも。他のところにはない面白味を付加し、どうやったらお客様に手に取っていただけるかを追求した商品たちは、多くの人々の注目を集め、浪漫亭にお客様を集め、ひいては明智町に訪れるお客様を集めることに繋がりました。

■お客様を集める楽しい工夫の数々
また独特のポップや店内装飾も、中村の手によるもの。ダジャレのオンパレードで思わず笑ってしまって目を奪われ、商品を手に取らざるを得ない気持ちにさせられます。
発想力も随所で発揮され、マッチを陳列するのにマッチ棒パズルの本を隣に置いてみたり、ビー玉やおはじきで店内を美しく飾ってみたり。桔梗の御紋の入った布はフェルトが貼り付けられた手作りで、「観光地と言えば!」という顔出しパネルも大人気。
さらには「まろやかプリン」1万個目をお買い上げくださったお客様が名古屋の映像制作会社を経営する方で、そのご縁で大正村のPVを作成したことも。
想像したものを形にし、今あるものに新たな価値を与え、運も味方につけてお客様に魅力を伝える。
努力を積み重ねた結果、大正村浪漫亭は5年でついに初黒字転換。中村は建物の再興だけではなく明智町の再興をやってのけた、と言っても過言ではありません。
※商品や魅力をとても紹介しきれないので、詳しくは大正村浪漫亭HPをご覧ください
http://romantei.ena-gifu.com/

■中村みはると「ジバスクラム恵那」
そんな大正村浪漫亭の一角に、恵那山麓野菜コーナーが設けられています。
中村の手にかかるとこうなるのか!と驚くばかりの、とても楽しい売り場です。
Aeru SHOPでも取り扱う「もりのいえ」さんの「大辛ファイヤー!ミックス」のパンフレットの絵は「トマトが目に、にんにくが鼻にしか見えない」という彼女の手で実に愉快に生まれ変わり、一袋650円で販売している和紅茶は、2杯分ずつの小さなパックに分けて和を感じられる端切れで包み、お土産としてお買い求めいただきやすい形になりました。
地元の生産者が作ったものをより良い形で買っていただきたいのは、ジバスクラムのスタッフみんなの等しい願い。私たちは身近な才能にもっと多くを学び、今ある優れた生産物を、他にはない商品として世に出す努力をしなければなりません。

中村に来年以降のことを尋ねてみると「やりたいことはたくさんあるけど(どうなるかは)分からない」という答えが返ってきました。彼女が大正村浪漫亭でまだまだその感性を研ぎ澄ますのか、それとも別なる地でその力を大いに発揮するのかは、まだ誰も分からないというのが本音です。
ただジバスクラム恵那としては、今彼女の力や仕事がすぐそばにあることを誇りに思い、そばにあるだけではなく相乗効果を生み出せる存在でなければならないと感じます。それは中村に限らず他のスタッフでも同じこと。全てのスタッフが「ジバスクラムに居るからこそできること」を見つけ、ジバスクラムはそのスタッフが居るからこそ成し遂げられることを増やす。彼女の存在を通して、組織としてのさらなる成長を遂げることが、私たちが果たすべきことではないかと感じます。

自らを「管理人というよりは、もうほとんど商人(あきんど)」と言う中村、まだまだ湧き続けるそのアイディアが、恵那市をどう変えるのかが楽しみで仕方ありません!

※次回は栗田有美が登場します。お楽しみに!