ZIVA農業サポート塾公開講座「生活者の食行動のトレンド」実施しました!

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先日の記事でお知らせしたZIVA農業サポート塾オンライン公開講座「生活者の食行動のトレンド」、12月9日に無事終了しました。
塾生である3人の生産者以外にも多数ご参加いただき、クックパッド株式会社データマーケティンググループアナリスト、宮澤かずみさんを講師にお迎えして行われたこの講座。
クックパッドを利用する7400万人もの方々による、年間16億回、12万語にも及ぶ膨大な検索ワードデータをもとに様々な分析を行い、各農産物を食べてもらう機会を増やすために、ひいては買われる機会を増やすためにどうすればよいのかを具体的にお話いただきました。

例えば「トマト」という言葉の分析で分かることとして、

・ここ10年程の検索回数は概ね安定している=常に消費者の注目がある程度集まっている食材である
・「トマト」という語と組み合わせて検索されるものとして毎年多いのは「パスタ」「サラダ」「スープ」であるが、近年は「炒め物」や「マリネ」、「チーズ焼き」や「カプレーゼ」などの語もランクアップしていて、新しいトレンドを感じられる=新しい食べ方の提案をすることで、より消費者の心をつかめるようにする
・夏場だけではなく、毎年12月に緑色の野菜と組み合わせて検索されていることが多く、クリスマスカラーを出せる食材としてのニーズがあることが分かる=家族を喜ばせるメニュー提案が必要

などの点を挙げていただきました。
日々刻々と変化する消費者の最新のニーズを捉えた分析は大変興味深く、クックパッドの検索データ「たべみる」に蓄積されている「消費者の悩みの行動データ」こそが、今作られつつあるトレンドの最前線であると感じました。

他にも塾生の生産物であるいちごや栗についても、詳しく具体例を挙げながら農家としてできることを説明してくださり、「講座が決まって以来恵那のことばかりを考えて過ごしていた」とおっしゃる宮澤さんの温かいお気持ちが伝わってくる講座となりました。

また独自の「コロナによる食卓動向」についても見解を述べてくださいました。
コロナ禍において浸透した「三密を避ける行動」や「過剰な消毒習慣」「外食自粛」は徐々に減退していくと考えられるが、コロナによってうまれたポジティブな変化である「料理をアクティビティとして行うこと」「屋外イベントのイエナカ化」「リモート勤務の増加」は今後も定着していくのではないか、とのこと。
そのため今後は、増えてくるであろう家飲みの増加に応じたおつまみレシピや再現レシピのニーズに応えられるようにすること、キャンプ料理のバリエーションを増やせるよう提案すること、そしてより簡単に調理したり片づけたりできるやり方などが必要なのでは、とのお考えでした。

全編を通して宮澤さんの的確な分析によって語られるトレンドの動向が実に興味深く、これからの世代に生産物を手に取ってもらうために何が必要なのか、それを知るためにどうすればいいのかを具体的に理解することができました。
さらには農産物の最終的な行先である実際の食卓をイメージできるお話ばかりで、生産者にとって大変貴重な機会となりました。 宮澤さん、長時間熱心にお話くださり、本当にありがとうございました。

今年度は試験的に行われている「ZIVA農業サポート塾」。
ジバスクラム恵那の連携先である(一社)日本食農連携機構に専門人材を派遣してもらい 、「これからの農業」にチャレンジする農業者を応援することを目的としたプログラムの実施及び塾生のサポートをしていただいています。
来年度からは参加者を募る予定です。今回のような講座内容にご興味のある方、是非ご検討ください。